乳癌抗がん剤ハーセプチンの効果とher2陽性乳がんとは?保険適用は?

乳癌は女性にとってこわいですね。
こんな疑問がありませんか。

乳がんのハーセプチンてどんな薬?
HER2陽性乳がんの人が対象?
副作用はあるの?
ハーセプチンは保険適用できるの?

今回は、乳がん治療に使うハーセプチンについて
詳しくご紹介します。

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乳癌に使う抗がん剤 ハーセプチンについて


ハーセプチンはがん細胞に含まれる「HER2タンパク」と呼ばれる
特定の標的を狙って攻撃する薬で、
「分子標的薬」の1つです。分子標的薬は従来の毒性の強い抗がん剤と違って
がん細胞固有の特徴を標的として阻害する薬なので、
高い効果が期待できるだけなく、
副作用も比較的少ない薬です。

ハーセプチンが使えるのは検査よってHER2陽性と診断された人だけです。

分子標的薬ってなに?


体内の特定の分子を狙い撃ちし、
その機能をおさえることでもっと安全に、
有効に病気を治療する目的で開発された薬です。


ハーセプチンは、日本では2001年にHER2陽性の
転移性乳がんの治療薬として承認され、
2008年からは再発防止のための術後補助療法にも使えるようになりました。
ハーセプチンの登場で、乳がんの治療は大きく変わりました。

現在では、予後が悪く転移しやすいといわれていたHER2陽性乳がんですが、
術後にハーセプチンを使うようになって、
最近では再発する患者さんが少なくなっています。

ハーセプチンは、HER2陽性の乳がん術後の補助化学療法には欠かせません。
術後補助化学療法は、手術後、全身に広がっている可能性のあるがん細胞を退治して、
再発を予防するために行われます。

乳がん細胞は比較的早い段階から血液やリンパ液によって全身に運ばれ、
目に見える大きさの乳がん細胞のしこりを手術で取り除いても
目に見えないがん細胞が全身に残っていることが知られています。

この目に見えないがん細胞が何年か後に
再発乳がんとして出てくる可能性があるのです。
そのため、全身に運ばれているかもしれない
目に見えない小さながん細胞をやっつけるために
薬物治療は非常に重要な治療なのです。

特に進行・転移した乳がんの治療はハーセプチンのおかげで大きく変化し
手術後の再発率の低下や、生存率の向上に大きく貢献しています。



抗がん剤 ハーセプチンの副作用について



ハーセプチンは一週間に1回の点滴になります。
副作用として、38度近く熱の出ることがあります。

しかしその副作用は1回目の点滴で4割の人に出ますが、
2回目以降は出ません。

HER2タンパクに集中的に働きかけるトラスツズマブは、
正常な細胞にはダメージをあたえないため、
吐き気や脱毛、骨髄抑制などの副作用はほとんどないです。

しかし、心機能の低下をはじめとする特殊な副作用が起こりやすく、
特に心障害リスクを上げる「アントラサイクリン系」
の薬との併用は絶対禁忌とされています。

またトラスツズマブの代表的な副作用として、
投与開始後24時間以内に現れる
「インフュージョンリアクション」という急性症状があります。

発熱や悪寒、吐き気、頭痛などの症状が出るもので、
40パーセントの患者さんに見られるといわれています。

重篤な場合はアナフィラキシーショックのようになり、
最悪の場合は死に至ることもあるので、
初回治療時には慎重な観察が必要です。



トラスツズマブは ハーセプチンの一般名


ハーセプチンの一般名をトラスツズマブといいます。
ハーセプチンは1990年代の初めから開発が始められたモノクローナル抗体です。
このハーセプチンを用いた治療を抗体療法と呼びます。

モノクローナル抗体ってなに?


現在、抗体医薬品で、モノクローナル抗体が注目されています。
まず、ヒトの体内のウイルス感染細胞や、がん細胞などの異物に対して、
免疫細胞のB細胞がこれらの異物(抗原)をやっつけるため、
目印に結合する抗体を作ります。

たとえば、ほとんどのがん細胞は他の正常な細胞にはない特定の目印を持ちます

「もし、その特定の目印をやっつけることができる抗体を作ることができたら、医薬品として期待できる」

という発想から生まれたのがモノクローナル抗体です。
モノクローナル抗体は、1種類のB細胞が作る抗体のコピー、つまりクローンです。
モノは「単一」、クローナルは「混じりっけのない集合」の意味です。


her2陽性乳がんについて


トラスツズマブやペルツズマブなどは,HER2タンパクの働きをブロックをして
がん細胞の増殖を抑える薬で,この治療法を「抗HER2療法」といいます。

トラスツズマブがHER2タンパクにくっついて目印となり,
外敵を攻撃するからだの中の細胞ががん細胞を攻撃し,
破壊すると考えられています。

トラスツズマブに抗がん剤をつけたT-DM1という薬剤も開発され,
新しい治療法として期待されています。
これらの薬は,HER2タンパクをもっているがん細胞にだけ効果を発揮するので
組織を調べて患者さんの乳がん細胞にHER2タンパクがある(HER2陽性)場合に使用します。


HER2は正常な細胞にも存在します。
乳がん患者さんのがん細胞では正常細胞に比べてHER2が多くみられることがわかりました。
また、HER2の遺伝子が多くなっていることがあります。
このような、HER2が多くみられる乳がんをHER2陽性乳がんといいます。

HER2陽性乳がんでは、たくさんあるHER2が、がん細胞の増殖に関係していると考えられています。
そのため治療をするときには、
HER2の働きを抑えて、がん細胞の増殖を防ぐことが大切です。


her2陽性乳癌の進行速度


乳がんの研究の進歩によって乳がんの中に,細胞の表面に
「HER2タンパク」をもっているものがあることがわかりました。
HER2は仲間とペアになってがん細胞を増やすシグナルを出して
がん細胞を増やしていきます。

乳癌患者の約15~20%はHER2陽性です。
陽性とは患者のHER2タンパク質の量が多く、
これが原因で癌細胞の増殖・分裂速度は速くなります。

her2陽性乳癌の治療


乳がんの人の2割前後は、がん細胞の表面に「HER2」と呼ばれるタンパクが多く出ています。

これはアンテナのようなもので、細胞膜を貫通するような形で細胞の内側と外側にあります。
がん細胞の増殖に必要な物質を細胞の外側から内側に取り込んでいます。

このHER2に対しての、クローンを1本にした(モノクローナル)抗体がハーセプチンで、
ブロックしているようなものです。
ハーセプチンが、がん細胞が生きていくために必要なエサを取込もうとする
HER2タンパクの働きを妨げてがんをやっつける、というしくみです。

ハーセプチンを使った治療


ハーセプチン単独で効果がない場合には、ハーセプチン+タキソールとか、
ハーセプチン+ナベルビンといった抗がん剤と併せてを行います。

乳がんの人全体を「10」とした場合に、ホルモン受容体とHER2の両方が陽性が1割、
ホルモン受容体は陽性でHER2が陰性が7割、HER2が陽性で
ホルモン受容体が陰性が1割、どちらも陰性が1割です。

そうするとホルモン受容体は陽性でHER2が陰性という方はホルモン療法が重要になります。
HER2が陽性でホルモン受容体が陰性という方はハーセプチンが治療の武器になります。

ハーセプチンは、初期治療では使えず、あくまでも転移後の治療として使います。
ハーセプチンは5%ぐらいの方に、心不全になる心毒性があります。
使用中はときどき心臓の検査をする必要があります。

また抗がん剤のファルモルビシンやアドリアシンはもともと心毒性が強いので、
ハーセプチンと一緒に使いません。
また、ハーセプチンとホルモン剤を一緒に使うことはありません。

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抗がん剤 ハーセプチンは保険適用?


2008年2月28日に術後補助療法として保険適応になりました。
手術後は、数年にかけて、放射線療法や抗がん薬、
ホルモン薬などを使う薬物療法の治療が必要になります。
また最近は手術の前に薬物療法を行う場合もあります。
これらの治療費に特に大きく影響するのは、高価な薬物を使用した場合です。
薬物療法で重要な位置にあるハーセプチンは、非常に高価になります。
ハーセプチンを使うと、1年間の自己負担額(3割)は約76万円、
1カ月あたり約6万3000円になります。

さらに手術後に乳房再建を希望する場合は50~100万円の費用がいります。

こうした乳がん治療中の経済的負担を軽減するために知っておきたいのが
健康保険の「高額療養費制度」です。
保険が適用できる治療費の1カ月の自己負担額が規定額
(70歳未満・一般の場合、約8万円)を超えると、それ以上の額が払い戻しになります。

手続き後に還付されるのが基本ですが、入院時に「限度額適用認定証」を申請しておけば、
立て替え払いの必要はなく、退院時に病院窓口で自己負担分のみを支払います。


高額療養費制度とは?


高額の医療費を補助するための健康保険の制度。
1カ月の保険適用の治療費の自己負担額が一定額を超えた場合、
それ以上の医療費については還付が受けられます。

ただし複数の診療科(例えば、乳腺外科と放射線科などの組み合わせ)
での診療は一定額以上でないと合算できないなど条件があるので、注意してください。

申し込み窓口は、国民健康保険の場合は自治体の担当窓口、
勤務先の健康保険組合の場合は勤務先か全国健康保険協会
払い戻しの申請期間は、診療を受けた月の翌月から2年以内です。

限度額適用認定証とは?


限度額適用認定証は、入院や外来診療・調剤薬局等での医療費の支払額が、
国が定める自己負担限度額を超えて高額となるとき、
窓口での支払いを法定の自己負担限度額までにとどめることができるものです。
法定の自己負担限度額(医療機関の窓口で支払う金額の上限)
は被保険者の所得によって異なります。


加入している健康保険組合や共済組合によっては、
自己負担額が2割の場合や、1カ月の自己負担上限額が
数万円に設定されているところもあるので、確認してください。

長い治療期間中に、安心して治療を受けるためには、
治療費の見通しを立てておくことはとても重要です。
各地の医療機関などでは個々の治療費まではわからないため
治療方針を説明してくれる医師に、入院・手術や
薬物療法などで具体的にいくらかかるのか、
遠慮せずにきちんと確認をしましょう。
治療費についても納得したうえで、治療を始めてください。

終わりに


がんの三大療法は「手術療法」「化学(薬物)療法」「放射線療法」の3つです。
以前はがん治療=手術療法が中心でした。
今では、化学療法や放射線療法で手術とほぼ同等な効果を得られています。
特殊なウイルスを用いてがんを治療する「ウイルス療法」は注目されています。
これは、日本で発見されたウイルスを使った抗がん剤で、
2018年度を目標に実用化を進め、治験を行っています。
医学の進歩によってがんの治療法や代替医療で、
多くのがん治療方法から選択することが出来るようになる事を祈っています。

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